☆拍手御礼小話*10☆
〜byクリリン〜



三年ぶりに再会した悟空は、見間違えるほどでかくなってた。


「久しぶりだな、クリリン!」

オレに呼びかけるその声も、すっかり『男』の声になっててさ。


オレだってもう19だし? 声変わりはまぁ並に低くはなったけど。
それに、身長だってけっこう伸びて、武天老師さまを追い抜くまでにはなったけど。

でも、悟空のその伸び方は、反則じゃねぇか?



―――――――――しかも。


「は、初めまして」



頬を桜色に染めて、少し緊張した面持ちの彼女の高く澄んだ声。

悟空が神様の元で一緒に修行していたというその子は、めっちゃ可愛い女の子で。


なぁ悟空。 おまえ、オレに差ぁつけ過ぎじゃねぇ?
オレだって……オレだってなぁ、可愛い女の子との爽やか男女交際ってヤツに、ずぅーーーっと前から! 悟空がそんなことに興味を持ってなかった時から、すっげぇ憧れてんだぞ!!!!

それでも、まぁ。 悟空のヤツ、昔っからその手のことにはものすごく疎いし、一見見た感じじゃ、一緒にここに来たってだけで、別に恋人同士ってわけじゃないみたいだし。
それなら、ひとつの『出会い』として、オレがアタックしたっていいわけだよな。


そう思ってたんだけどさ。


「あいつは可愛く見えるんだよな」


武天老師さまが取ってくれたホテルに向かう途中、そう呟きながらあの子を見る悟空の目。




―――――――――それはもう、明らかに『恋』する視線。




甘くて、熱くて、そして・・・・・・なによりすげぇ優しく煌くその瞳を見ちまって。





そりゃもう、驚いたのなんのって!!!
あのお子ちゃまの悟空がだぜ!? こんな目をできるようになってたのか!!!!!


そんなお子ちゃま悟空をここまで虜にした彼女は、その視線の先でブルマさんとなにやら話しながら無邪気に笑っている。
ほんとにマジで可愛いし、オレだって立候補したいところだけど。




ここは親友のため、一肌脱いでやるか!!!




「応援してやるぜ」

と言った俺に返ってきたのは、これまた長い付き合いの中で初めて見せた初々しくも真っ赤な顔でさ。


「なんでわかったんだ?」


だとさ。

ほんっと、しょうがねぇなぁ。





―――――――――だけどさ。 こんなにわかりやすい悟空の表情や言動を身近で見てきて、まったく気づいていないあの子も、相当鈍いのかもしれないな。あんな可愛い顔して、今まで恋愛したことなかったのかなぁ。男がほっとかねぇと思うけど・・・・・・。










ま、とにかく。 ガンバレよ、悟空!!!