。☆拍手御礼小話*15☆ 〜by悟空&ヒロイン〜 アイツとオラの身体は、ゼンゼン違う。 すらっとしてて全体的にやわっこくて。 足も腕もオラの半分もないんじゃないかってくれぇ細ぇし。 真面目なアイツのことだ。筋トレだってサボらずしっかりやってるのは分かりきってるのに、なんで筋肉つかねぇんだろうな。 ――――――だけど。 そんなアイツの身体、大好きだ。 だって、抱きしめるとすっぽりオラの腕に収まる柔らかさ、スゲェ気持ちいいし。 胸にすり寄ってくれるアイツの温もり、スゲェ愛おしい。 ぜってぇ失くしたくない、オラの宝物。 悟空とわたしの身体は、ゼンゼン違う。 がっしりして筋肉質。腕も足も引き締まっててわたしの2〜3倍はある。 胸板なんかすごく厚いし、背筋だってしっかりついてる。 修行を始める前、女のわたしがそんな身体になったらヤダな、なんて思ったけど、基礎トレは悟空と同じにやってるはずなのに、わたしにはそんながっしりした筋肉はつかなかった。 一見見た感じ、ごつくて強そうな悟空。 確かに強いんだけど……わたしを抱きしめてくれるときはその太い腕で優しく包んでくれる。 その広い胸に顔を埋めると、伝わってくるのは穏やかな心臓の音と、ひどく落ち着く悟空の体温。 絶対に失いたくない、わたしの大切な場所。 顔だって、スタイルだって、髪の色だって、ゼンゼン違うけど。 不思議だね。 目の前にいるその人が、今、同じ気持ちで自分を瞳に映してくれている。 ただそれだけで、こんなに嬉しくて、こんなに――――――愛しくて。 今まで歩んできた人生だって、ゼンゼン違うはずなのに。 今そばにいるお互いの存在が、何よりも大切で。 ―――――出逢わなければきっと味わうことなんかなかった、ほろ苦くて甘酸っぱい恋心。(悟空side) ―――――出逢えなければきっといずれ消え去ってしまっただろう、溢れるこの気持ち。(ヒロインside) 自分の命より、瞳に映るその人が大事。 自分が想っているのと同じくらい、相手も自分を想ってくれているのが、その瞳から伝わってきて。 熱くなる、胸。 なんでもできる、すべてうまくいく。 そう、おめぇがいるなら、どんなことだって出来ちゃう気がするんだ。 不可能なんて何もない。 悟空がいるなら、どんな困難にだって立ち向かえる勇気がわいてくるよ。 見た目はまったく違うけど、想いは不思議なくらい、ぴったり重なってしまうくらい同じで。 そんな相手に出逢えて、ものすごく幸せだ。 『運命』なんて信じてなかったけど。 これはきっと、運命の出逢いなんだろうな。 異なる世界でそれぞれ生まれて、不思議な力で引き寄せ合って。 今目の前にいる、まったく異なる『あなた』が。 ――――――なによりも、そう、自分の命よりも…………大切なんだ。
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