☆拍手御礼小話*19☆
〜by悟空〜




おめぇがふんわり笑うと、なんだか胸の奥がポッとあったかくなって、なんだか嬉しくなるんだ。

おめぇが哀しそうな顔すっと、オラまでなんか哀しい気分になっちまう。



おめぇは表情がコロコロ変わる。
オラも人のこと言えないけどさ、感情を隠せねぇんだな、きっと。



一生懸命隠そうとしてるときもあるんだ。頑張ってるのはわかるんだけどさ。

哀しいのを隠して笑ったって、必死に涙をこらえてるのがハッキリわかるし。
口では「怒ってない」って言ったって、目に見えて怒ってんのがわかる態度をするし。



そのたびなぜか、いちいちその表情が気になって仕方ねえ。



なんで、こんなに振り回されるんだ?
おめぇに逢ってからのオラは、いつもおめぇを真ん中においてモノを考えてる。

ヘンだよな。 おめぇはただの、ひとりの女なのに。
その『ただの女』が、なんだかわかんねぇけど、オラには『特別』に見えるんだ。





あのとき、おめぇがオラの前に現れた瞬間から。
「悟空」って、おめぇがオラの名前を呼んだ瞬間から。





きっともう、始まってたんだ。
あれからすべてが、始まったんだ。





オラの、おめぇに向ける、この気持ちが、な。










――――――それが『恋』ってもんだって知るのは、もっとずっと先だった。