☆拍手御礼小話*26☆
〜界王星にて(悟空side)〜
ふと目を覚ましたら、隣りには大事な大事なおめえの寝顔。
いつもいつも、見るたび思う。………この顔、反則だ。
無防備で、愛くるしくて、妙に――――――そそるんだ。
そっとその顔に触れてみると、フワン、と柔らかい頬っぺたの感触。
くすぐったそうに、ギュッと一瞬だけ閉じた瞼に力が入って。
またすぐ、すやすやと静かな寝息を立てる。
界王さまのところに来てからというもの、めちゃくちゃすげえ修行続きで、いちゃつく暇もねえ。
イヤ、界王さまは休憩時間とかはきちんととってくれるけど、オラもこいつもとにかく今一番に考えてんのが『強くなること』だから、いちゃつくって雰囲気なんかも全然ねえんだけど。
禁欲……ってんだっけ? 別にムリしてるわけでもねえし、正直言ってクタクタで、寝てるときに目が覚めることなんてほとんどねえけどさ、大好きなヤツの、こんな顔見せられちゃったら、なぁ―――――――……オラだって、男だ。
こいつはもちろん、オラだって体力的にちょっとキツイとは思っても、一年弱もその禁欲ってやつしてるんだ。
ついつい手ぇ出したくなっちゃっても仕方ねえだろ?
で、チューしてえなぁ、ってうずうずしながらその唇を指でなぞったら、ピクッ、と細い肩が小さく跳ねて。
「…………ん。悟空も…………悟飯も、今度は必ず………守ってみせる………………から…………………」
オラの胴着の裾をきゅっと握って、軽く眉間にしわを寄せたおめえが、そんな寝言を小さく呟いた。
その言葉と表情に、こいつは夢の中でも頑張ってんだ、なんて気をそらされて、修行してるときの形振り構ってない必死な姿を思い出して思わず笑っちまった。
おめえさぁ、『守ってみせる』ってのは、オラのセリフだぞ。
おめえも悟飯も、ぜってぇ、オラが守ってみせっから。
だから、安心して眠っていいんだぞ。
そう心ん中で話しかけながら、さらさらしてる前髪をよけてその額に唇を押し付けたら、わかってんだかないんだか。
寝てるのに、ふわりと柔らかい笑顔を浮かべてくれるおめえが。
本当に可愛いと思った。

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