☆拍手御礼小話*5☆
今日は私の誕生日。
もといた世界では過保護な両親のおかげで、誕生日は毎年家族総員で祝ってくれてたっけ。 友達からもお祝いのメールとかプレゼントとか用意してもらえて。
朝から嬉しくなる特別な日。
異世界に来ちゃっても、やっぱり今日は嬉しい日。
でも。 当たり前だけど、こっちにわたしの誕生日を知ってる人がいるはずもなく。
さらに修行中の身であるため、たとえ今日が誕生日だとわかってても腹筋や背筋の回数が減るわけでもない。
座禅組みながら、なんか哀し〜な、なんて思ってれば、容赦なくポポさんの制裁が入るし。
だけど、、、
今日くらい!!!
今日くらい、特別に扱ってくれたっていいじゃないのよさーーー!!!
結局、なんにもなかった誕生日。
別に期待してたわけじゃないし、今更「今日はわたしの誕生日で〜す」なんて言う気もないけど。
……やっぱり、ちょっと、むなしい……(涙)
夕食前に悟空が帰ってきて、ポケットから何かを取り出し、わたしに差し出した。
「これ、やるよ」
渡されたのは、コバルトブルーのキラキラ光る綺麗な石。
「綺麗〜♪…え?でも、なんで?」
悟空からの贈り物なら、たとえ缶ジュースのリングプルだって嬉しいけど、なんでこれをくれるのかワケがわからずそう聞いたら。
「だっておめぇ、今日誕生日なんだろ?」
え゛!!! なんで知ってるの!?!?
「神様に聞いたんだ。ポポも知ってるはずだぞ」
さ、さすが神様ってだけのことはある……(汗)
でも嬉しい/// 期待してなかった分すんごく嬉しいvv
「悟空、ありがとう。大切にするねっ」
嬉しくて嬉しくて、悟空がくれた綺麗な石を握りしめてニコニコ笑いながらそう言うと、悟空もにっこり笑って、「おめでとう」と言いながらわたしの頭をなでなでしてくれた。
その後、夕食を食べに行くと。
ポポさんが特製バースデーケーキを作ってくれていて。
思わず、嬉しくて泣いちゃいました///
家族や友達はいなかったけど、好きな人とはじめて過ごした、今日は記念すべき誕生日。
でもやっぱり、就寝前の腕立て・腹筋・背筋の回数は減りませんでした…(泣)

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