☆拍手御礼小話*7☆
〜byヒロイン〜
悟空って、かなりモテる。
天界にいるときは、当たり前だけどわたしのほかに女の子なんていなかったから、別に気にも留めてなかったんだけど。
――――――常識で考えてみたら、こんだけ強くて、こんだけ優しくって、さらにこんだけ顔が良けりゃ、モテないはずがないわけで。
ほら、また。 天下一武道会の会場の門のところ。
悟空の周りに、たくさんの女の子たちがたむろしてるし。
対する悟空は困ってたじたじしてるけど、別に振り払うでもなんでもなく、囲まれるままになってる。
わかってるんだけど、ね?
悟空、優しいからなんにもできずに困ってるって、頭ではちゃんとわかってるよ? ずぅーーーっと、そりゃもう、出逢う前から悟空のこと見てたんだもん。わからないハズないじゃん。
だけどやっぱり――――――オモシロくない!!!
今の現状、悟空は誰のものでもないし、別にカノジョでもなんでもないわたしがこんなヤキモチ妬いたって、仕方がないってことだってわかってるんだけど。
ケドやっぱりオモシロくないものはオモシロくない。
ジト〜、と『わたしムカついてます』って視線を無意識に悟空に送ってしまうと、それに気づいたのか、悟空と視線がぶつかった。
明らかに、助けを求めるその瞳の色。
フーンだ、自分で何とかしてよ。わたしには関係ナイもん。 なんて可愛くないことを思いながら視線をそらしてしまったら、悟空はなんだか焦ったように「ちょっと、悪ぃ」なんて言いながらその人ごみをかき分けてわたしのそばにやってきた。
なんだ、やればできるんじゃん。
またまたそんな可愛くないことを思っていると、どうやら不満がそのまま顔に出ていたらしく、悟空がわたしの顔を覗きこむ。
「おめぇ、なに怒ってんだ?」
「怒ってないもん」
ブスッとして答えると、悟空はさっきよりも困った顔をして。
「怒ってんだろ? 思いっきり顔に出てるぞ」
プチッ。 悟空のため息まじりの言葉に、どっかがキレる音がした。
「えぇ、怒ってますとも。悟空がたくさんの女の子に囲まれて嬉しそうにしてるんだもん! そうだよね、ちやほやしてもらったら気持ちイイもんねっ。やっぱり悟空も男だよね!!」
「な…っ。そんなら、おめぇだってそうだろ!?」
怒りモード全開で悟空に突っかかったら、悟空もわたしに喰いついてきた。
「・・・・・・へ?」
言い返されたことと、その言葉の意味が理解できなかったことで、思わず気を逸らされてしまいそんな変な声が上がる。
「おめぇだって、しょっちゅう男に囲まれてるじゃねぇか。オラが目を離さないようにしてるの、気づかなかったのか!?」
・・・・・・スイマセン、気づいてませんでした。てゆうか、めったに怒らない悟空が、怒ってるし。
「ごめんなさい」
怒りのスイッチを入れてしまったことと、悟空に嫌な思いをさせていたことに謝罪の言葉を述べると、悟空はハァ、と息を吐く。
「ったく。あんまり心配させねぇでくれよ」
「それ! それわたしのセリフ!! わたしだって悟空が心配なんだからね!!!」
顔を上げると、悟空が優しい目でわたしを見ていて。
―――――――――ああ、おんなじ思いをしてたんだなぁ、って。
・・・・・・ん? 「おんなじ」って、、、悟空、もしかして・・・・・・???
行き着いてしまったその答えに、わたしは思わず最上級の笑みを零してしまった。
「・・・なんだよ?」
「なんでもないです」
怪訝そうな悟空に笑顔で答えて、武道会場に向かって歩き出す。
「ヘンなヤツだなぁ」
悟空がつられるように笑顔を浮かべてわたしのとなりを歩いてる。
ふふふ♪ 悟空、やきもち、妬いてくれたんだね♪♪♪

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