☆拍手御礼小話*8☆
〜by悟空〜
やっぱりアイツは可愛いらしい。
いや、オラはモチロンずっと可愛いと思ってたんだけど、下界に降りて他の奴らの目にアイツが触れるようになって、誰から見てもやっぱり可愛かったんだ、と思い知らされた。
武道会前に再会したクリリンも、「すごい可愛い」って言ってたし、今予選のくじを引いてる時だって、いかつい男たちのデレッとした視線がアイツに集中してるのに気づいてしまう。
――――――なんだ? このモヤモヤした感じ。
アイツが他の男に見られてるだけで、なんだかイライラする。
あ!!! オラがちょっと目を離した隙に、アイツが取り囲まれてる!!!
しかもなにを話してるのかは聞き取れないけど、いつもと変わらずホワホワ笑いながらそいつらの相手してるし。
・・・・・・なんか、すっげー嫌な気分だ。
「あ、悟空!」
近づいてきたオラに気づいたのか、囲んだ奴らの間を縫ってアイツがトテテテ、とオラのそばに駆けてきて。 そしたら、そいつらはアイツに向けてたデレデレした目とは正反対の、険のある目でオラをにらんだ。
そいつら無視して駆けてきたアイツに笑いかけると、アイツもニコニコと笑い返してくれる。
とたんに感じる優越感。
今オラに見せてる安心しきったこの笑顔。 こいつの一番の笑顔は、オラのもんなんだぞって、そいつらに言ってやりたい。
コレがミスター・ポポの言ってた、『恋』には付きもんの『独占欲』ってヤツなのか・・・。
しかし危なっかしくて目が離せねぇ。
知らずに注目を集めてることも、隙あらば話しかけようとしてる男等のことも、まったく判ってなくて。 自分が可愛いことなんてぜってぇ気づいてねぇんだろうな。
――――――だからオラは、できるだけアイツのそばにいることで、オラ以外の男がアイツに寄って来ねぇように見張ってることにした。
あ〜あ、まったく、オラは完全にアイツに振り回されちまってんなぁ。
武道会が無事に終わったら、この胸につっかえてるもんを全部言っちまおう。 そん時アイツがどんな顔をするかちょっと怖ぇけど、もう、そう長く我慢できそうにねぇし。
それにはまず、ピッコロ大魔王をやっつけねぇとな!! よし!!! 一丁やってやるか!!!

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