☆拍手御礼小話*25☆
〜カタオモイ2〜
あなたを一目見た瞬間から。
わたしはあなたに一目惚れ。
「悟空おはよっ!」
「お、オッス!」
朝起きて、一番最初に悟空を見られるのが嬉しくて、満面の笑みで元気に挨拶する。
急に声をかけられてビックリしたのかな。ちょっと上ずったその声も、戸惑ったような表情も、みんなみんな
―――――――――ダイスキ。
「さてさて今日も、厳しい修行の始まり始まり〜」
悟空を見てると、どんな修行もドンと来いって気分になっちゃう。
朝一番のランニングを始める前にちょっとおどけて言ってみたら、悟空は面白そうに笑った。
強くて、まっすぐで。
鋭い瞳で戦ってると思ったら、次の瞬間にはあったかくて。
全然飾らないのに、笑顔がすごく魅力的。
あなたの表情のひとつひとつに、わたしの胸が騒ぎ出す。
あなたを見てるとね、甘酸っぱくてほろ苦い、『初恋』の味が胸に広がってくるんだ。
そう――――――『好き』が、ググッと込みあがってきちゃう。
神殿の庭を走りながらそんなことを思って、悟空にちらり、と視線を走らせてみたら、惚けたような彼が自分を見ていて。
想いを寄せるあなたに見られている、と意識したとたん、一気に跳ね上がる鼓動。
「ふぎゃ!!!」
ずべし!!!
緊張しすぎたわたしは、足がもつれて豪快にコケてしまった。
「おい、大丈夫か!?」
「だ、大丈夫大丈夫。なんか、足がもつれちゃった」
駆け寄ってきて立たせてくれた悟空に、まさか「あなたに見られて緊張してしまいました」なんて言えるわけもなく、照れ笑いを向たら。
悟空は軽く苦笑しながら、くしゃくしゃって頭を撫でてくれた。
そのおっきくてあったかい手が大好きで。
大好きなその手が自分の頭に乗っかっている事実が、嬉しくて。
勝手に頬っぺたがふにゃんと緩む。
こんなふうに人を好きになったのは、初めてで。
どんどん惹かれていってしまう自分を感じて、ちょっと怖くなる。
出逢う前から好きだった悟空。
出逢ってからはもっともっと好きになってしまって。
まだ想いも伝えてないけれど、これで悟空にフラれちゃったら、どうなっちゃうんだろう。
逆に、もし好きになってもらえたら、それはそれでどうなっちゃうんだろうか。
どっちにしても壊れちゃうんじゃないかな、と思わせる、そんなあなたに惹きつけられて。
もうわたしは、あなた以外の人に恋をできそうにもありません。

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