ただの高校一年生だったは、ある日の朝、ひょんなことから異世界を越えてしまいました。
そこは、彼女の大好きな人のいる世界だったのです。
けれど、彼女の『異世界越え』は、偶然が偶然を呼んだ異例の所業だったため、元の世界には戻れなくなってしまいました。それどころか、元の世界では、この異世界を語らせたら右に出るものはいないくらい詳しかった記憶が、異世界越えをしてしまった瞬間、大好きな人のこと以外、きれいさっぱり消えてしまっていました。
ホームシックと今後の不安に涙を零すに、大好きな人は言いました―――――――――ずっと、一緒にいてやる、と。
序章:記憶の欠片
唐突に、目が覚めた。
なんだかドキドキして、不安が胸を覆っている。
不安にかられて視線を上げれば、大好きな悟空の安らかな寝顔。
『ずっと、一緒にいてやる』
そう、さっきの夢の中、悟空は確かにそう言った。
過去に、悟空は幾度となく自分に、そう言ってくれた。
その言葉に救われたのに。
その言葉を信じてるのに。
――――――――――――――どうして今、こんなに不安な気分なんだろう。
天下一武道会から約五年。
悟空とが結婚してから約五年。
この前久しぶりに悟空の師匠・武天老師さまから「遊びにこい」との連絡があった。
思えば、夜になると不安になるのは、あの時からだ。
なにか、重大なことが明らかになって。
なにか、なにかが変わってしまうような。
――――――――――なんなんだろう、このいやな胸騒ぎ。
まるで、一番最初にこの世界に来たときみたいな、重い不安。
悟空はここにいる。
それを確かめたくて、きゅ、っととなりに眠る悟空の服を握りしめると、寝ぼけたような声が降ってきた。
「? どうした?」
「あ、ごめん。起こしちゃった?」
見上げた先には、フワンと穏やかに笑む、漆黒の瞳。
吸い込まれそうな優しいまなざしと、だいすきな柔らかい声。
「へんな夢でも見たんか?」
「ううん、なんでもない。なんでもないよ」
気のせいだ、と自分に言い聞かせて、悟空の胸に顔を埋める。
規則正しい心音と、心地いい体温。
一番落ち着く場所。
不意に背中に腕が回されて、悟空がギュウッと抱きしめてくれた。
「大丈夫だ。オラがずっと抱っこしててやるからな。だから心配なことなんかなんにもねえぞ」
ポンポン、と背中を優しく叩きながら言ってくれる悟空の言葉に、思わず涙が出そうになってしまって。
得体の知れない不安が、すぅ、と引いていくのがわかる。
「うん。ありがとう……」
安心したら、とろとろとした眠気が襲ってきて。
それに逆らうことなく目を閉じた。
にかすかに残る、元の世界の記憶。
それが警告を促しているなんて、そのときのには思いもよらなかった。
そんな感じで始まってしまったサイヤ人編。
始めっからシリアスな感じですが、多分シリアスは序章だけかと;
てか、シリアス苦手なんで、ここだけにしたいんですが、、、さてどうなりますことやら。(おい)
サイヤ人逆ハーとか…できたら、いいな、、、なんて。
な、何とか頑張っていきますです、ハイ。とにかくまだすべてが未定なダメな管理人でした〜〜〜! (逃走)

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